「ごめん…。」

「俺も…ごめん。」

それから長い沈黙が続いた。

「あのさ…」

先に口を開いたのは日向だった。

「えっ?何?!」

「自殺とか…考えへんかったん?」

日向は急にこっちを向き、何か思いついたように言った。

思わぬ言葉に驚いた私はしばらく声が出なかった。

「へっ…、えっと。考えたよ!実行した。けど、施設の先生にバレちゃって、やめさせられちゃってさぁ…。で、今ここにいるワケ。」

てへっと苦笑いした。

「あっそう…。疲れたんやったら、死んだ方が早いんちゃう?俺手伝うで?」

「えっ…ぁ…うん…」

「じゃ、決まり!!どうやって死にたい?」

日向は楽しげに答えた。人の死をちっとも恐れてないようだ。

「ん…苦しくなかったらいいよ。」

「じゃあ~♪睡眠薬飲む?いっぱい飲んだら死ぬで!」

睡眠薬が8,9粒置いてある手を差し出されて、受け取るしかなかった。

「水持ってくるし待ってて!」

「……」

私は答えずに日向を見つめていた。