―――急に怒りと悔しさがこみあげてきて、私はついに不登校になってしまった。

そのことに施設の先生が気付いたのは、

不登校になって3日後のことだった。遅いのか早いのかはわからない。

けど。結局言われることは何週間、何か月、何年たっても変わらないだろう。


「なにしてるの?早く学校に行きなさい」


所詮、そんなもんだ。そういうのが一番イヤで、反抗したくもなったけど。

やめた。反抗するのも何か馬鹿馬鹿しく思えてきちゃって。

でも、このまんま先生の言うとおりにはしたくなかった。

「何で?何で行かなきゃなんないの?」

そう答えると、やはり施設長ということで冷静に答えてきた。

こういうの、何か目上目線で見られてる気がして妙にムカついた。


「何で?って。考えればわかるでしょ?勉強しにいくの。勉強はね、将来…」

「もぉ、うるさい!!出て行って!1人にしてよ!!おせっかい!!私にだって色々あるんだよ!!」

「何言ってるのよ!私はね…」

私は施設長の言葉を遮り

扉をガチャンと閉め、鍵をかけた。いいことに

ロック式なことでさすがに施設長もあきらめた。


私は「ふぅ…」とため息をつき、壁にもたれかかった。

そうすると、ふいに涙が頬を伝った。

ぬぐっても、ぬぐっても、止まらなかった。

「何で…何で止まんないのよっ…?!」

自分でも訳がわからなかった。

こんな惨めな自分が悔しくて、寂しくて。

久しぶりに泣いた気がした。

それで、初めて寂しいって思っちゃったんだ。

「寂しいよ…ッ!!」

喘ぎ声を必死に押し殺しながら、泣いた。

そんな時だった。

「何で泣いてんの?」

2段ベッドの上の段から声がした。

私は個室だけど、2段ベッドが置いてあって。

「…え…?誰?」

「誰でもいいやん。」

普通答えると思ったんだけど。

「それより俺の質問に答えてくれへん?」

「え?えっと…何でって…いうとぉ…」

「何?」

単刀直入に言われると答えられなかった。