「あはは…★んでも、何で亜美は関西弁じゃないの?」

「あ~。亜美はなぁ、関西で生まれんと、ここで生まれたからなぁ。」

「へ?ここに、ここで生まれたの?ってか双子なんだったら同じ病院で同じ時間くらいの同じ日に生まれるんじゃないの?!」

「うん…あのさ、この際やし言っとくけどな、俺と亜美は母さんが違うねん」

「へ?!だから、日向のお母さんは日向ばっかりを追うんだ?」

「多分。亜美が同じ苗字やからって、自分の夫の不倫相手の子供やとは思わへんかったみたいやし?」

「不倫…相手…」

「うん。でもその不倫相手…亜美の母さんは死んじまってさ」

「…え」

「事故ったんやけどな」

「事故…?」

「そう。車にはねられたらしい。それで親父が、母さんに無断で俺を施設に連れてきて、ここに置いていった」

「そうだったんだ…」

「ちなみに亜美の母さんが死んだから亜美も一緒に置いていったけどな」

「その時、亜美のこと双子だってわかったの?」

「まぁ…気付いてないこともなかったかな。まだ5歳やったけど」

「5…歳。私と…一緒」

「そういや結構いたよなぁ…そん時めっちゃ盛んやったんかも」

「かもね。…はぁ…」

「ん?どしたん?」

「うん…亜美に無神経なこと言っちゃったんだよね…」

「何て言ったん?」

「んとね。お互い親のハナシとかしなかったし、よく事情もわからなかったんだけどね。」

「だから…何て言ったん?」

「んと。お母さんに…お母さんに、会いたくないの?って。」

「何で?もし生きてたとしても会えるわけないやん」

「うん。けどね、施設長に言ったら警察に捜索願出してくれるんだ。で、私は出したんだけど亜美は出さなかったから」

「あぁ…で、橘の母さんは?」

「…死んでた」あはっと苦笑いしてみた。

「だから、会いたくても会えないって言ったんや?」

「うん…だから日向には会ってほしくて。向き合ってほしくて」

「そっかぁ~…わかった。橘のこと聞いてたら、俺会わんとあかん気がした。」

「そう…ありがとう」

「俺の方こそ。」

そうして私たちは少しだけお互いのことを知れた。