「どうしたんです…か?」

『実はね、日向君…施設移っちゃったんです』

「え?!何でですか?!私がそちらに行ったこと、言ってませんよね?!」

『はい、言ってないんですけど…』

「けど…?」

『日向君のお母さんが、こっちの施設で働くことになってしまって…』

「えぇ?!あの人、また…」

『日向君の前の施設ってそちらですよね?その時も来られたんですか?』

「はいっ…だから移っちゃったんです…」

『そうですか…お母さんを早く止めなきゃ…』

「その必要はないとおもいますよ?」

『え…?』

「日向は逃げてるから…ちゃんと向き合おうとしてないから…そのまま、お母さんを追わしてください。」

『…まだ中学生ですよね?』

「あ、ハイ。」

『すごいね…偉いね。わかりました、そうします。』

「そんな…!偉くありません。じゃあ、よろしくお願いします。」

『はい。あ、長電話ですみませんでした』

「いえいえ…」

『では失礼します』

「はぃ…あ、待ってください!!!」

『はい?何でしょう?』

「日向、どこの施設に行ったんですか?」

『え~っとですね…篠街施設です』

「ありがとうございます、失礼します!!」

『はい』

私は電話を切って、すぐ篠街施設に走って向かった。


「はぁ…はぁぁ…あのっ…日向君は…」

「へ?!あ、はい。どちら様で?」

「とも…友達です…」

「どうぞどうぞ!!」

私はそうして、ようやく日向の部屋に案内された。

「日向ッ!!」

ドアを開くと…久し振りの日向の姿が目についた。

「…お前…何しとんねん??」

「日向ぁ…!!!」

「ちょぃちょぃ…何でやねん!!」

久し振りの突っ込みに思わず笑顔が浮かんだ。