私は嬉しくて、思わず大声を出してしまった。

「あっ…あの、日向は今…?」

「今はたぶん寝てますね…どうします?」

「じゃあ…また来るんで、その時に…会わしてもらえますか?」

「はい、多分構いませんよ。ご本人に伝えときましょうか?」

「ありがとうございます。あ、伝えなくて結構です。では、また来ます」

「はい。わかりました。」

「お願いします」

私はそう言ってペコリとお辞儀をし、施設にダッシュで帰った。


やった…やったぁ…!!!見つけたよぉ!!


私はウキウキ気分で施設に戻った。そうすると、もう皆起きて朝ごはんを食べていた。

ぐぅー…。お腹空いた…そういえば何も食べてないんだよね。

「せんせぇ…ご飯…」

「あーら。唯ちゃ~ん?どぉこ行ってたのぉ?」

「んと~ジョキングです!!」必死の嘘をついた。

「あ、そう。大丈夫、用意はちゃんとしたわよ。はい。」

「いっただっきまぁす」

「これからはちゃんと先生たちに言ってから行くのよ?」

「はぁい…」

私は時計を見た。ちょっと今日は早めに出るかな。

食パンを頬張りながら、私は鞄を部屋から持ってきて、玄関に向かった。

―――そういえば、あれから向居由梨を見てない。まぁ施設長がクビって言ったからね。

けど…もし向居由梨が日向のいる三田川施設に行ってしまったら。ヤバイよね。

「うぅ~ん、どぉしよ…」

悩みつつ、食パンを食べ終わって靴を履いた。

「悩み事?」後ろから亜美の声がした。

「亜美…」亜美というのは、同じ時に施設に入ってきた同い年の仲良い友達。まぁ簡単に言うと、親友なんだろうけど。

「しばらく…しゃべらなかったよね。元気だった?」

亜美はニコっとして顔を覗いてきた。

「うん、元気だったよ。亜美も…元気?」

「元気だよ」亜美は私の隣にしゃがんで、無理に笑顔を作った。