「忘れ物って何だ?」

店の前で待っていてくれた
廉人さんが
不機嫌そうに口を開いた

昨日とは違う
苛々だ

どうしたのだろう?

「ちょっと
聞き忘れたことがあって」

「何を?」

「それは…言えません」

「何で?」

「女同士の秘密です」

私は廉人さんの前を歩いて
車に向かった

「制服で
廉人さんの店はまずいですよね?
あ…でも
マニアには喜ばれます?

お客さんは女性客だから
制服でも
関係ないか」

私は車の中で
着ている制服に目を落とした

「服、買うか?」

「ん~
どっちでも

店にいるのに
ご迷惑になるなら
服を買おうかな」

「わかった」

廉人さんは
洋服を買いに
車を走らせてくれた

ブランド店を回り
3店目で
やっと気にいった
デザインがあったと言い

買ってもらった

本当はどんな服でも良いけど

少し振り回すのも良い女の鉄則?

…な気がしてきた

よくわからないけど
廉人さんの反応を見つつ

勉強をしている私です