「花音!
どこに行っていたんだ」

秘書さんに送ってもらった私は
自宅のマンションに戻ってきた

マンション前には
廉人さんの車が止まっており
私がマンションに入ろうとすると

廉人さんが駆け寄ってきた

「あれ?
どうしたの?」

「果恋から学校に来てないって
連絡があったから」

あ。
そっか

「ちょっとね
知り合いの人と会って
話し込んじゃった」

「知り合いって?」

「廉人さんの秘書さん」

「は?」

「話ができて良かったよ
すごく格好良い女性で
尊敬しちゃったなぁ~」

「脅されたのか?」

「まさか
廉人さんの過去を聞いたり

世間話したり
楽しかったよ」

「本当か?
嘘ついてないよな?」

「うん」

廉人さんの肩の力が一気に抜けた

「それなら
連絡くらいくれよな」

「私
廉人さんのアドレス知らないもん」

「あ……
そうだったな」

ポケットに入れてある携帯を
廉人さんが出してきた

私も鞄から出すと
赤外線でアドレスを送り合った