「別に好きで結婚したんじゃないもん

こいつが勝手に
私を妊娠させて
勝手に責任をとるって言うから
とらせてあげただけ」

果恋が真っ赤な顔をして説明をした

「妊娠？」

「でも流産しちゃった
だからすぐに離婚しようって
言ったんだけどね」

「離婚？」

果恋ちゃんの意外な一面に
私はすっかり
廉人さんの腕の中で話をしているのを
忘れていた

「最近の出来事だよね…
きっと」

「まあ、最近だけど
私のことは気にしないで」

「気にするって！」

久我先生は居場所がなさそうに
静かに準備室から出て行った

「平気だって
もうすぐ離婚が成立して

何にもなかった頃に戻るんだから」

「果恋ちゃん？」

ぎゅっと
廉人さんが
私を抱きしめた

「詳しい話は俺からするよ」

「しなくていい！」

果恋ちゃんが語尾を強めた

「早く二人きりになろうよ」

廉人さんは
私の首にキスをした

「あ～
エロ魔人め

さっさと帰れ」

そう言いながら
果恋ちゃんのほうが
準備室を出て行った

「帰ろう」

廉人さんが優しく言ってくれた