廉人さんは最後までしなかったけど

私の制服を脱がすだけ
脱がして
時間になると社長室に戻って行った

私はひとりになると
すぐに
乱れた制服を整えた

私が間違ってたんだ

怖かった

廉人さんに惹かれていく自分が
怖かった

世界が違うから
絶対に振られると
思うことで

失恋からの痛みを和らげようとした

廉人さんからの
気持ちを知らないふりをして

嫌われて別れることになる
痛みから

逃げていた

だって付き合ってみて
やっぱり

生活が合わないから
嫌だって

振られたら

たぶん私は
立ち直れない

廉人さんは
魅力的で格好良くて

私は普通の人だから

失恋の泥沼から
抜け出せなくなる

それが
怖かった