「私に挨拶もしてくれないの?」

麗華さんが
私の前に立つと
声をかけてきた

「すみません」

私は頭を下げた

行こうと思っていたけど

いつ行っていいのか
わからなかった

「ずいぶんと
廉人と仲良しなのね?」

「彼氏ですから」

私の声は小さくなった

「笑っちゃう
ここまで来て
また嘘をつくの?」

「嘘じゃないので」

「貴方みたいな庶民と
セレブが付き合うはずがないでしょ?」

「でも」

「世界が違うのよ
さあ、帰りなさい」

麗華さんは
執事を呼びつけた

執事に麗華さんは
何かを話す

執事は私の腕を掴んで
ホールの外に連れ出した

そのまま建物の外に停まっていた車に
押し込められると

私は麗華さんの家を追い出された