「麗華も
木下みたいに可愛げがあると
いいんだけど」

「付き合ってるの?」

今度は私は質問をした

「一応ね
でも
向こうは遊び感覚だよね

俺を好きじゃない

俺のバックにある祖父と父親の
金目当てだよ」

「知ってて付き合っているの?」

「好きになっちゃったからね
仕方ない」

「そういう恋愛って
瀬戸内梧郎が苦しむだけだよ」

「頼むから
フルネームで呼ぶなよ」

「なんか中学のとき
そうやって呼んでたから」

「陰でだろ?」

「たぶん
話したことないでしょ?」

「話したことないね」