「誰?」

廉人さんが
料理の皿を持って
不機嫌な顔をして
立っていた

「中学の同級生で
瀬戸内梧郎くんです」

私は瀬戸内くんの紹介する

「部活も一緒だったんです
ここで会えるとは
驚きました」

瀬戸内くんは手を差し出した

「たしか瀬戸内議員のお孫さんですよね?

俺は海堂 廉人です」

廉人さんが握手をした

「失礼します」

瀬戸内くんはお辞儀をすると
私たちから離れて行った

「美味しそうだね」

「食っていいぞ」

「わあい」

私は廉人さんから
お皿をもらうと
料理を口にした

ん?

廉人さんの料理のほうが
美味しい気がする

「美味しく…ないかも」

「だろ?
食材のレベルが低いんだ

それも麗華の家が低迷している
証拠だな」

「ふうん
厳しい視線だね」