「まあ
白々しい嘘

そんな話は聞きたくないわ

こんな庶民に
廉人さんが
惚れるなんてあり得ないもの

決めたわ
今夜
行くから

VIP席を空けておいて

良かったら
花音さんもご一緒にどう?」

「花音に夜の世界は
似合わない

誘わないください」

肩を掴んでいる廉人さんの
手に力が入った

「あら
そんなことなくてよ

恋人の仕事姿を見るのも
良い経験になるわ

どう?

来るわよね?

うちの車を寄こすから
どこに住んでいるか
教えて

あ…
ベンツだから

もしかしたら
細い路地に入らないかもしれないわ」