――やってきました、不機嫌な王子様。
「俺の女を。それも俺の目の前で口説くとは。死にたいらしい」
全然ちがうよセロ!!
やっと見つけたお客さんに商品を買ってもらうところなんだから邪魔しないで。
「こらこら。戻るぞ黒羽根」
いいところにやってきてくれたね、タスク……!
「なんだ三浦」
「あと10分は頑張ってもらうぞ」
「今は小バエの退治をしている」
「た、タスク! セロのこと連れてって!」
「言われなくても」
タスクがセロの肩に腕をまわす。
「離さんか。この学校ごと貴様を吹き飛ばすことなんて容赦ないんだぞ」
「はいはい。行くぜ王子」
それは絶対やめて、セロ。
タスクは少しもその言葉を信じていないけど、半分本気だよね。