「四3歩」


「六5桂馬」


「そこ、同銀」


オレに言われるがままに子ども達は将棋をさし、気がつけば逆転勝ちをしていた。


「ありがとうございました!
強いんだねお兄ちゃん!」


そう言われると何て答えたら分からず、ただピースサインをしてその場を立ち去った。


「何してんだオレ…」


なぜか笑いが出てきた、そしてタバコを吸おうとしてポケットに手を入れた時、

「待ってください!!」


今度は逆に呼び止められた。

よく見るとさっきゲームの対戦席にいた子だ、二十歳くらいかな…



…可愛いな…



そんなことを考えてると彼女は息を切らして喋りだした。



「あなたプロですよね!?
お願いします!
助けてください!」


「…え?」