「うわぁ可愛い!」

ベビーカーの中には目のぱっちりした可愛らしい女の子が乗っていた。

手を伸ばすと小さな手が私の指をぎゅっと握り、にこにこ笑ってくれる。

「ふふっ、こんにちは。
人懐っこいね。ママによく似てるよね。もう蓮司、毎日明莉ちゃんにだけじゃなく、子供にもデレデレでしょ?」

しゃがみこんで赤ちゃんに触れたまま蓮司を見上げると、目を細めて愛しそうに我が子を見つめ

「明莉のミニチュア版見たいで、すっげー可愛いんだからデレるに決まってんだろ」

と蓮司がベビーカーに近づくと、小さな両手を広げて抱っこをせがむ我が子を抱き上げ頬ずりした。

「可愛いだろ?
もぉ、俺にべったり!」

「えーっ、蓮司がべったりなんでしょ?ねぇ、明莉ちゃん」

「ふふっ、そうですね。
蓮司が愛音にべたべたです。
……朝陽さんも、雰囲気変わりましたね」

「そう?」

「はい。すごく柔らかくなったっていうか…」

と言葉をきった明莉ちゃんはチラリと私の背後に少し距離をとって黙って私たちを見ている柚月に視線を向けた。