「朝陽、今夜は家?それともホテルに泊まる?
どっちがいい?」

「はっ?」

ニヤニヤしながら聞いてくる柚月に固まると

「既成事実つくってもいいって言われてるし、俺3年以上禁欲生活してんだけど、このままじゃ、俺男として枯れちゃいそうなんだけど…」

「いや、別に私に遠慮しないでどうぞ私以外の方と好きなだけ…

「っっ!!!
いいの!?遠慮しないで!!!」

目を輝かせた柚月に眉を潜めて

「どうぞ、、、好きにすれば……きゃあぁぁ!!」

「まじっ!?
朝陽の気が変わらないうちに家に帰ろう」

と正面からぎゅっと抱き締められた。

「えっ!?えっえっ、ちがっ!
柚月違うから!」

「違わないし、聞こえなーいっ!」

胸を叩いてバタバタ暴れる私を柚月は嬉しそうに見つめている。

ほんとに…まるで恋人同士みたいなデートをしてる…。

高鳴る胸はもはやはっきりとこの想いを自覚して、認めようと決意した時に背後から懐かしい声が私の名前を呼び

「朝陽……?」

その声に振り向いた私の心臓がおもいきり跳ねあがり、思わず振りほどいてしまった手は一気に冷たくなり、隣の柚月は険しい顔をして声の主に鋭い視線を向けていた