明莉ちゃんの優しさは無意識だとはいえ、長い間の気持ちの決着をつけたばかりの私にとって、とても残酷だった。

それでもあえて彼らの結婚式の二次会に参加したのは、二人を苦しめて破局させかかった私への罰と自らかした償いだ。

そして、本当の意味で蓮司への想いを完全に終わりにするための儀式。

上手く笑えていたのかはわからない。

いつものように、強気で軽口を叩けていたのかも思い出せないが、二人を祝う言葉は、私の心からの気持ちだった。

私のせいで、数日間別居して、結婚式も危ぶまれていたことを知っていた数人からは、私の出席に敵意の眼差しが向けられていたことも会場に入ってすぐに感じた。

辛かったが、会場に流された挙式、披露宴のダイジェスト映像、片瀬さん作成の二人のサプライズムービーを目にして来て良かったと心の底から思った。

明莉ちゃんを一途に想う蓮司の姿に、私もいつか自分だけを一途に愛してくれる人と出会いたいと強く願った。