会社の駐車場に私の車をとりに行くために、蓮司の車で駐車場まで送ってもらった。

明日は休んで構わないと話す蓮司に、私の心は決心が固まっていた。

しばらく入院する父に代わり、家を継ぐために私は早急に会社を辞める。

蓮司との仕事上でのパートナーもこれで終わりだ。

自分の気持ちにピリオドをきちんとうちたい。
ちゃんと終わりにしたかった。


「ごめん…。
一緒にいていつのまにか約束破ってた。

ずっと言えなかった。

蓮司が好きだった。

さよなら、香田くん」

困った顔をして私の話を黙って聞いている蓮司に私は抱きついた。

背中に回した手は、黙って私に抱き締められたまま身動きしない蓮司をすぐに解き放した。

蓮司は、抱き締め返すことなんてしてくれなくて、蓮司の心も身体も全部明莉ちゃんだけのものなんだとあらためて思いしった。