「あれ?」

今日は先客がいた。
僕より背の低い女の子だ(自慢じゃあないんやけど、僕は背が低い) 。
その子は黄色のスコップで穴を掘っていた。

(…どうしよ。帰ろかな)

少し迷って、もう少しだけ見ていようと決めた。

僕はベンチに静かに座った。
いつもと違って、広がる町の景色に背中を向けて。