ピピピピ ピピピピ



あれ、もう朝か。眠いなぁ。まだ もうすこしn…




「おーーい、陽葵。起きろー。」




誰かの声が聞こえる。

まぁ、誰かわかってる。



淡々としているがどこか優しく透き通った声。

小さい頃から何度も聞いてきた起きろーの声。



「今、何時?」



「8時。お前このままだと遅刻すんぞ。ったく…よいっしょと」




無理やりベットから起こされる。

ほんと、なんの躊躇もないんだから。





「え、ちょっと待って。
8時!???やばいよ!なんでもっと
ちゃんと起こしてくれなかったのよー!」



「お前なぁ、俺がどんだけ叩き起したと思ってんだ。早く準備して学校行くぞ。」



「わーーかったよぉ。あと5分、いや、10分で用意するから下で待ってて!」






そう言われて蒼が階段を降りると、リビングに陽葵のお母さんがいた。





「蒼くん、毎日のように起こしてもらってほんとにありがとうね。
ほんとにあの子ったら朝が弱くて弱くて。」


「このくらい全然大丈夫ですよ。家すぐそこですし^^ あ、千里おはよう。相変わらず早起きだな。」


「蒼くんおはよう。でしょ?お姉ちゃんは
蒼くんがいないと起きないからねぇ。」


あ、今蒼と話しているのは私の妹の立花 千里。

ちなみに私と蒼の一個下で高校1年生だ。
私より乙女で可愛い性格をしてる。



よし、準備が終わった。


「ごめんねお待たせ!行ってきまーす!!」

「行ってきます!」


私と蒼がそう言い、


「いってらっしゃ〜い。」


お母さんと千里が口を揃えてこう言ってくれるのが日常だ。

はははっ幸せ。



さて、家を出て学校までの道のりを歩く。

この時間が私は結構好きだ。

なんでかって?


それは、蒼の横顔を独り占めできるから^^

黒くてサラフワな髪の毛

キリッとしている目に高い鼻

おまけに横顔が超綺麗


そう、私は蒼が好きなのだ。



きっかけはわからないんだけど、

小さな頃から優しくて、

どんな時でもたくましくて、私を守ってくれる

蒼のことを、いつの間にか大好きになってた。


まぁ、蒼はお人好しだから、

無意識にみんなに優しくしてる

だけなんだけどね。



そんなことを考えていると



「おい。何ぼーっとしてんの?」



蒼が横から顔を覗き込んできた。


「あ、いや、、… なんにもない!
今日いい天気だなぁって思ってただけだよ!」


びっくりして誤魔化した。


「ふーん、ならいいけど。
今日いつもより眠そうだったから、
寝不足とかでしんどいのかと思った。」


ほら、優しい。

小さい頃から蒼は

私が無理しやすいことを知っていて

小さなことでもすぐ心配してくれる。


「そんな心配しなくて大丈夫だよ!今なら空も飛べちゃいそうなくらい元気だから、ほら!」


私は手を広げてジャンプした。

 
蒼はクスッと笑い、そんな私をまじまじと見て


「何だその変なジャンプ。
よくわかんねーけど、あんま無理すんなよ?」



「うん、ありがとー!」




約10分歩いて、学校に到着した。