何が入っているんだと思い中を覗くと
 発売したばかりの
 カーレースのゲームソフトが。


「ほとんど
 十環先輩がお金出してくれたんだからね。
 私は、280円しか出してないし。

 このゲーム
 小百合さんがやりたがっていた
 らしいから」



「マジで、十環にも桃にも
 頭上がんねえな」


「逆だよ。

 龍兄がいなかったら
 私は十環先輩と付き合うことなんて
 出来なかったし。

 感謝してるよ。 龍兄には」


「もも~~」


「抱き着く相手が違うでしょ!

 もう夕方だよ。 
 早く小百合さんのところに行かないと」


「おう。 行ってくる!」


 俺はそう言うと
 革ジャンを羽織り階段を駆け下りた。


 そして、小百合に思いを告げるため
 バイクを飛ばした。