俺が桃にとっての
 スーパーヒーローか。


 この前俺に言ってくれたこと
 本気で思ってくれてたんだな。


 それなら桃のことを
 がっかりさせるわけにはいかないか。



「桃、約束だからな」


「え?」


「俺が帰ってきて、凹んでたら
 頭撫でろよ。
 優しくな」


「それくらいなら
 別にしてあげるけど」


「俺さ、小百合のとこに
 行ってくるから」


「うん」


 桃はとびきりの笑顔を俺に向けたまま
 小さめな紙袋を手渡してきた。


「何?」


「十環先輩と私から。
 龍兄の恋がうまくいくアイテム」