「奥手男子?

 は? 
 笑わせないでよ!

 龍兄は
 そんな弱っちい男じゃないよね?

 暴走族連中に一目置かれる
 TODOMEKIの元総長だよね?」



「桃も知ってるだろ?
 俺が女のことになると
 情けなくなるところを」


「知ってるよ!
 だから怒ってんじゃん!」


「何を怒ってんだよ!」


「族仲間の前では
 堂々としていて男らしいんだよ。
 そこが龍兄のカッコいいとこじゃん。

 それを
 なんで好きな子に見せないのよ」



「だから……緊張して……」


「好きな子を本気で手に入れたいなら
 そんな情けない言い訳しないでよ。

 ケンカしてる時みたいに
 後先考えずぶつかっていきなよ」


「ケンカの時って
 言われてもな……」



「もし
 龍兄が辛いを思いしたら……

 私が……
 慰めてあげるから……」


「……もも」


「この前言ったことは
 嘘じゃないからね」


「は?」


「龍兄のことは……
 スーパーヒーローだって思ってるって
 言ったこと。
 
 だから龍兄には……
 カッコいいままでいて欲しい……」