あんな小さい子が親の七光りなんて言葉を知ってるなんて思わなかった。

将来、夏恵が和菓子屋を継ぐんだろうから大変なんだな。

同情的な感情が湧いて来たと思うと夏恵はバタバタと部屋を走り、突然背中に飛びついてきた。

シャーペンの先が折れてノートが裂けた。


「遊んでよ」

「今、勉強してんだろ」

「遊んで〜」


だんだんイライラしてきた。