だから朝食作るのは自分の分だけ。だけど、今日はお兄ちゃんの分も作っておく。
きっと、大学で疲れてるんだよね。
時計を見ると、もうそろそろ出る時間。
結局、お兄ちゃんは起きてこなかった。
「行ってきます」
バッグに『薔薇の木曜日』が入っていることをしっかり確認して、家を出た。
「えっ、体力テスト?」
まだHR前の朝、中途半端なこの時間。
私は何故か職員室に呼び出されていた。
「ああ、日向だけまだ受けてないからな」
目の前には、おなじみ担任の広野先生。
なんで呼び出されたかというと、私が体力テストを受けてないから。それだけ。