「なるほどなぁ。でも俺も読みたいな」
「じゃあ今度借りてくるよ!」
…の前に、忘れないように本を通学鞄に入れておこう。
私は、1階の1番奥にあるお父さんの部屋に入る。
相変わらず、本ばかりのその部屋はシーンと静まりかえったまま。
お母さんが定期的に掃除してるらしいからホコリっぽくはないんだけど。
「ええっと‥確かこの辺に」
あ、あったあった。
続編よりもかなり分厚いこの本編。そして中身はびっしりと…英文。
「おー懐かしいな。久しぶりだな父さんの部屋も」
「お兄ちゃん」
いつの間にか部屋の入り口にいる楓空兄。