後ろから小杉くんに、呼ばれた気がしたけど…、振り返らない。 もう今後一切、小杉くんとは会わないようにしないと…っ。 そう思いながら、走って改札を抜け、駅から出た。 ボサボサになってしまったお下げを直す気にもなれずに帰り道を歩く。 出来れば小杉くんが、私の顔を忘れててくれたらな…。 今日はせっかく、『薔薇の木曜日』の続編見つけて気分ルンルンだったのに。 さっきの出来事で沼に沈んでしまった。 「ただいまー…」