目を合わせないように、私の目線は下のまま。


「てか、お前がメガネとったとこ見たことねーんだよな…」


 小杉くんの手が近づいてきているのを感じて、バッと顔を横に向けた。

「え〜何、そんな嫌なの?ちょーブサイクとか?何それ、尚更見たいんだけど」

 メガネは、絶対に取られたくない…!!


 良かったのは、もうすぐ駅に着くということ。バッグを両手に抱え、席を立ち、急いで
ドアの前へと歩く。

「逃げんのー?でも俺、メガネ取っちゃうから」


 追いかけて来る小杉くん。

 すると、肩にポンっと手を置かれた。


「やめてっ!!」