「あっれ〜、もしかしてそのお下げメガネ、地味女の日向じゃね?」


 …え。


 久しぶりに聞く声にドクンと心臓がなる。

 いつも、結ちゃんが一緒にいたから。1対1は初めてだ。


「…っこ…すぎ、くん」

「あーマジで雅月の制服着てるわ。地味女には似合わねー」


 ニヤニヤと近づいてくる小杉くんが怖くなって顔を伏せる。

 うそ。
 もう会うことはないと思ってたのに。


「クラスの地味代表がいなくなってスッキリしてたんだわ。あー良かったー」

 幸か不幸か電車にはそれほど人がいない。


  どうしよう…。