「……あの」

「うん?」


 私は少し戸惑って、でもメガネのレンズ越しにイケメンさんを見つめた。


「お名前、聞いてもいいですか?えと、あの、先輩、ですよね…?」

 一応、本を貸す相手の名前くらい知っておきたいし。


「え、俺、先輩じゃないよ。同級生、しかも同じクラスじゃん」

「えっ!?」


 お、同じクラス!?

 全然、知らなかった…。

 こんな綺麗で大人っぽい人がいたっけ…?


 記憶を探ってみても分からない。