その席に座っているのは黒髪の男子。


 知らない人…だけど、分かった。


 その人だけ、まとっている空気というか、雰囲気が違う。 

 明らかに私でも分かるくらいに…。


「アイツは皐月 昴(さつき すばる)。特待生で、学年トップにして運動神経バツグンのハイスペックよ。おまけにイケメンという値札つき」


 あの人が、学年トップ…。

 思わず、じっと背中を見る。


 この雅月高校の1年トップだから、相当頭のいいのだろう。


「しかもね」