「分からないのか?お前は特待生だろ」

————困らせるのが好き。困っているのを見るのが好き。

 クラスのみんな私に注目。

 こういう感じ、好きじゃない。

 ジトっと向けられる好奇の視線。トラウマに、脚が少し震えるけど…。
 答えて、みんなの注目から逃れられるのなら。

「√2分の3xです」

 ガタッと立ち上がり、そう答えた。

「…え?」

 その途端、キョトンとする先生。