「相変わらずだねぇ、ほんと」


うしろから懐かしい声。

…まさか。


振り返ったら長身茶髪の片耳シルバーピアス男。


やっぱり。


「……生徒会長」


の、藤寺駿だ。


高校時代には何かと七海につっかかり、かと思えばいちいちからかってくるイケメン。


「もう卒業して結構たつのに、その呼び方やめてよ。てかキミも生徒会長でしょ」


俺も卒業して2年くらい経つんですけどね。



「お久しぶりです…!藤寺先輩」


「うん。変わらず可愛いね、日向さんは」


そんなことないですっ!と嬉しそうに笑う七海を見て、グッと肩を引き寄せる。


「……やだなぁ、もう取ろうなんて思ってないよ」

「と……?って、昴くん、みんな見てる…っ」


恥ずかしそうに顔を赤らめる七海だけど離すつもりはさらさらない。


「見せつけられてもねぇ」


生徒会長はハハハと笑ってるけどその笑顔も信用できない。



謎の空気が漂う中、やってきた真柴に引き剥がされるまで俺は七海を離さなかった。