「それは今じゃなくてもいいし。

ほんとうにしたいことが見つかったときにすればいいじゃん。

それまでにいろんなことに挑戦して、経験する。

今はその時期でもいいと思うよ。


実際、俺もそうだったしね」



「………そう、なの?」



「うん。俺も梨々くらいのころ、自分がしたいこと見つけられなかった。

大学で色々経験して、自分がしたいこと見つけて今の会社に就いたし」



うん。……うん。



そっか。見つければいいんだ。


どれだけ時間がかかっても自分が1番したいこと、見つければいいんだ。



「うん………ありがとうぅっ……」


とん、とん、と背中をさすってくれる。



それが今は心地よくて。



ぎゅっと抱きついて、そのまま寝落ちた。