「だっだから…

 迷って迷って、お兄ちゃんならどうするかなって思って、助言と意見を求めるべく来たの」


 人を好きになったのなんて初めてだし、ましてや告白なんて縁のないものだって思ってたし…。


「七海はそいつのこと、本当に好きなんだな。寂しいけど、嬉しいよ」

「…ありがとう」


 私の中学時代の出来事を知っている1人で、しかも間近にいたお兄ちゃんは、自分のことのように喜んでくれる。

 申し訳なく思うけど、とても嬉しい。

 私もついこないだまで、これっぽっちも考えてなかったもの。


「お兄ちゃんって、彼女いるでしょう?私、知ってるんだから」

 ニヤリ。

 ここだけの話、お兄ちゃんが家に帰ってきたとき、朝とか夜とか、部屋で彼女さんと電話してたの。

 知らないとでも思った?


「ほ、ほら相談だろ?そうだなぁ、

 そいつは七海にとってどんな存在?」


 あ、話そらした。


「えっと…

 か、かっこいいとか優しいとかそういうのももちろんあるんだけど。

 それよりも…昴くんの隣では私のように…
本当の私でいれるの」


「それって、その昴くんだけ?梨々ちゃんとかはどうなの?」

「梨々ちゃんも、そうだけど…」


 あれ?ということは、好きじゃなくて友情ってこと?

 でも……。