「七海、お茶と水どっちがいい?」
「冷たい水ー」
リビングの机に座ってると、お兄ちゃんが水を持ってきてくれて向かいに座った。
「さ、話を聞こうかな」
なんでも見透かしてそうなお兄ちゃんの瞳は怒ってるときは怖いけど、今は頼もしい。
「内容としては…ちょっと恥ずかしいけど」
「恋愛相談?」
「なっ……う、うん………」
いくらお兄ちゃんといえど、この手の相談は恥ずかしい。
それでも迷いに迷って、助言を受けるためにここに来たんだから!
「私、好きな人がいるんだけど…そ、そのっ…なんていうか…」
告白してもいいのかなって…
「自信がない…の。その人に私は釣り合わないから、伝えたいけど迷惑かなって思っちゃうし」
「妬けちゃうな。
あーあ、七海がついに兄離れ…」
悲しそうにどこから持ってきたのか、白いハンカチを目元にあてるお兄ちゃん。
てか、今までもそんなにお兄ちゃんにベッタリではなかったよ!?…たぶんね。
あれ、私、ブラコン?