「もうこんな時間!HRはじまるっ急げー」



 梨々ちゃんの声にみんなで慌てて教室に入る。


 楽しいなぁ。

 こんな楽しいことがあっていいんだ。


「梨々ちゃん…」

「なーに?」

「私といて、楽しい?」


 梨々ちゃんは一瞬キョトンとしたあと、


「うん」


 優しい顔で頷いてくれた。


「七海は大切な友達だよ。七海じゃなきゃダメだから」


 あぁ、私は。


 こんなにも幸せから逃げてたんだな。


 逃げたままじゃダメだった。


 私はここにいていいんだ。


 私の居場所は………、



「えっ、七海っ!?もーどうしたのよ〜」


 思わず涙が出てくる。


「ごめっ…私…っ」