でも、それでも目の前の彼はかっこよくて。
「……………うん」
恥ずかしながらも、頷いた。
少し遠めにある図書館は、結構な大きさで本好きにはたまらないんだとか。
英書や古書なんかもたくさんあるんだって楽しそうに昴くんが教えてくれた。
私もお父さんの影響で漫画とか現代風な小説は読む機会が少ないから、それは楽しみ。
ちなみに、今は比較的人の少ない車両なんだけど…。
見た感じ同じ学校の子はいないし、優しそうなおばあちゃんや居眠りしてるおじさんが多めだから目立つことはない。
昴くんはかっこよくてすぐ目立っちゃうから周りの視線を集めちゃう。
それがイヤってわけではないけど、私がやっぱり目立つのは避けたいから…。
昴くんに過去の話を聞いてもらって、少しは吹っ切れたけれどSNSの写真とかで私を知っている人がいるかもしれないから。