「……七海、すっげーかわいい」


それなのにっ!

昴くんがそんなこと言ってにこっと微笑むから。

顔が、火照っちゃうよ…。


「それじゃあ、行こうか」


昴くんがくるりと後ろを向く。


「…あっ!そういえば、お願いがあるの…」


これは絶対譲れない!

がっ、と昴くんの手首を掴む。


「今日のお出かけは、できるだけ同じ学校の人とかには会いたくない…っていうか、バレたくない、から…その」


迷惑だと思うけど、これは避けたい。


「うん、分かった。

じゃあ今日はナイショのデートだね」


………なっ、なっ!?



『ナイショのデート』。



でっ…デート!?

いや、そりゃ男女でお出かけはデートかもしれないけどもっ!

そんなにさらりとその単語を言ってのけるなんて!

やっぱり昴くんは女の子に慣れてる…っ?