ひいいぃっ…と縮こまる私。


「海なんて下心丸出しの男どもがわんさかいるんだぞ?」


「そうそう。ナンパでもされたら可愛い女子2人でどう撃退する気?

 もはや撃退すら無理そうじゃない?」


「連れてかれたら二度と戻って来れないかもよ。どうすんの?」


 ええっ…。


 お兄ちゃんたちの圧に押しつぶされそうになっていると……。




「え、何?
 
 もちろんヒロくんたちも一緒だよ」




 キョトンとした顔で梨々ちゃんがそう言った。


 途端、不穏だった空気がスッ…と和らぐ。


「だよね〜。もちろん俺らも一緒だよね」


 私はほっと胸を撫で下ろした。

 なんだ。良かったぁ。

 お兄ちゃんたちも一緒なんだ。


「七海ちゃん、水着買いに行くのいつにする?」

「あ、えーと…海行く日決まってないから早めがいいかなぁ」

「そうだね。じゃあ最初の週くらい?」


 話していて、ふと思う。


「あの…お兄ちゃんたちって、大学の休み大丈夫なの?」