「頑張ろうね、七海」


「っ!う……うん」


 昴くんと代表リレーの出場列に並んでいる。…んだけど。

 ついさっきのことが未だに頭から離れなくて1人ドキドキする。

 だ、だって…ふたりきりの図書室で。


「…あれ、七海顔赤くない?」

「えっ、そう…かな?多分緊張しててっ…」



  ねぇ、皐月くんと話してるの誰ぇ?

  彼女……のわけないよねぇ。でも皐月く
  ん、呼び捨てで呼んでたくない?

  地味なクセに媚び売ってんじゃねぇよ



 ヒソヒソ、聞こえてくる女子の会話に背筋が凍る。

 そうだっ…ちょっと忘れかけてたけど皐月くんはこの学校の王子様的存在の人でっ!

 気をつけないと…。

 昴くんに迷惑かけてしまうっ!



 …それでも。

 体育祭、あっという間だったなぁ。

 ぼうっとグラウンドを見ながら考える。