それなのに、至近距離でそう言うなんて…


 ずるい……。



 間近で視線が交わって。



「可愛い。七海が1番可愛いよ」



 そんなことを言われたら…。



 心臓の音、聞こえちゃうよ…。






『1ーS、皐月昴。同じく日向七海。

 至急本部テントに集合してください』



「あっ…行かないと、皐月くん」

「そうだね。それじゃあその前にひとつ」



 ……?



「………名前で呼んで」



 えっ!?

 確かにさっきそう言ってだけど、でも…。

 私にはハードルが高いというか…恥ずかしいというか。

 

「はい、どうぞ」



 ちょ、ちょっと待って!まだ心の準備が!



「早くしないと、先生待たせちゃうよー」