「………でも、私のせいで壊れちゃったの」
そう、すべては、私のせいで。
「その日は朝から雨が降っていて、放課後私は1人で帰ってた」
未だに鮮明に覚えているあの日のこと。
その日は仕事で忙しいお母さんも大学に入りたてだったお兄ちゃんも帰ってくる予定で、私が浮かれてたのも悪かったのかもしれない。
早く帰りたくて、お母さんとお兄ちゃんに「危ないから通るな」と言われていた薄暗い道を通ってしまった。
実際その道の方が10分くらい近道だし、大丈夫だよね…と軽い気持ちだった。
黒い服の男2人に声をかけられるまでは。
本当に怖いときって声が出なくて。
肩と腕を掴まれて連れてかれそうになっても涙を流してガタガタ震えるので精一杯だった。