「え……」
私、辛そうな顔してたの…?
「真柴とか友達もいるのに、そんなに辛そうな顔をするのはなんでだろうって…ずっと思ってた」
ずっと…って…。
そんなに私のことを見てくれてたの…?
それでも私は暗い顔は見せないようにしてたのに。
気づいてたんだ。
「その顔があまりにも辛そうだったから。
…日向さんにそんな顔させたくない」
頬に触れていた手が肩まで降りてきて。
次の瞬間………
「え」
ぎゅっと抱きしめられた。
「……っ」
鼻をくすぐる皐月くんの匂いと肩あたりに回る腕に私の心臓がドクドクと波打つ。
突然抱きしめられて、どうしたらいいのか分からなくて…、
「…………うん」
彼の背中に腕を回した。