「…こんなこと言うのは、アレかもしれないけど。雅月高校は、ウチよりも特待生制度が充実しているの。だから…ここの高校も特待生は学費が少ないけど、あっちは、ほぼ無料なのよ」

 ハッと目線を上げる。

…ほぼタダならば。

 お母さんの負担はもっと少なくて済む…?

 ちらりとお母さんを横目見る。
 お父さんが亡くなってしまってからは必死に私の為に働いてくれた。

————それならば。