慌ててメガネをかけて高速で下を向いた。
シーン。
私たちは無言。
ガタンと電車が揺れてアナウンスがもうすぐ学校の最寄り駅に着くことを知らせた。
「……あっ、あの…!」
私の頭の中は混乱している。
……どうしよう。皐月くんにも見られてしまった。
へんな顔だって、思われてるかな…。
皐月くんは何も言わない。
思えば小杉くんにも電車で見られてしまったっけ。
私、電車に呪われてたりして…!?
「…ヘンって、思った?」
俯いて、恐る恐る聞いた声は自分でも分かるくらいに震えていた。
「…ヘンって、日向さんが?
そんなわけない。むしろ、……っ
可愛すぎてビックリした」
—–——えっ、かかっ、可愛い……!?
「そ!そんなことない…だって私…」
あかく火照った顔もスッと戻ってしまう。