お母さんは「はーい」と返事しながら洗面台に入っていく。
今日の晩ご飯はお兄ちゃんが作ってくれた。器用なお兄ちゃんの作るご飯は、絶対美味しい。
「七海、行こ」
「……うんっ」
問題が起きたときには、またそのときに考えればいいしね……。
まぁ、なんとかなるか。
それにもうすぐ体育祭もある。
代表リレーに選ばれたんだから熱い広野先生の元頑張らないと!
…皐月くんにも迷惑かけられないし…。
「?お〜い、七海?どした?」
気がつくとお兄ちゃんが顔の前で手を振っている。
「あっ、ごめん。ちょっとボーッとしてた」