「は?てことは柊、お前まさか」


「まさかとは何だよ」


 目の前で繰り広げられる会話に梨々ちゃんはイマイチついていけてない様子で困惑している。


「てか日向、何でこんなとこにいんの?」

「そりゃ妹の迎えに決まってるだろ」

「妹…?って、あっ、こないだの」


 こっちに視線が集まってペコリと頭を下げる。


「お久しぶりです。梨々ちゃんの友達の日向七海です。楓空兄の妹です」


「日向の妹さんだったんだ。俺は柊大翔(ひろと)。よろしくね」

 ニコリ、と笑った柊さんはやっぱりどこか梨々ちゃんに似ていてかっこいい。


「え?どゆこと?ヒロくんと七海ちゃんのお兄さんが友達ってこと?」


「うん。そういうこと」


 すごい偶然だ。じゃあやっぱり、柊さんはお兄ちゃんと同い年なんだな。


「ひょえぇ…すごいね七海ちゃんっ。兄系イケメンが2人並んでるッ…!!」


 ほ、ホントだ。

 2人ともかっこいいから並んでるとオーラが…。なんというか、近寄りがたい。


「うっわ〜このツーショット撮りたい…」


 イキイキしだした梨々ちゃんは本当に写真を撮りそうな勢いで2人を見つめてる。


「じゃあそろそろ帰ろうか、七海」