「あっ…ありがとう」

 スマホを返して、悶々と考え始めた。


 バズってる…ってことは、同じ中学の人たちも知ってるのかな。


 もしそうだとして、誰かがうっかり自分の名前を出したらさあ大変。




「………ぅう〜」




「七海ちゃーん?どうしたの??」

 梨々ちゃんが覗き込んでくるけど、私の表情は晴れないまま。


「なんかヤバイ感じ?」


「ヤバイ感じ…かも」


 えーなにー?と聞かれて、アハハ…と誤魔化しつつ私もスマホを弄る。


 お兄ちゃんからLINEだ。


【今日は迎えに行く】


【お願いします】


 お兄ちゃんもこの状況に気付いたみたい。

 今お兄ちゃんが休み中で良かった…と思った。


 今日を見回してみても、ほとんどの人がスマホ片手に会話している。


  例の子の写真、見た!?

  隣町だよな!ワンチャン近くにいるんじ
  ゃね?

  えーでもこの子、芸能人っぽくない!?


 ……〜うわぁ…。


 こういうのって時間が経ったら静まっていくらしいけど、いつごろになるかな…?

 大体なんで私が噂になってるか分かんないし。


 誰かが『女神の子』なんてよく分かんないあだ名つけたから、一時期なぜか有名になったことはあった。